不安定な時代だからこそ読もう:村上春樹『ノルウェイの森』

村上春樹(2004)『ノルウェイの森』講談社 「昼飯をごちそうしてもらったくらいで一緒に死ぬわけにはいかないよ。夕食ならともかくさ」(本書上巻 p.155) 「だって私これまでいろんな人に英語の仮定法は何の役に立つのって … 続きを読む不安定な時代だからこそ読もう:村上春樹『ノルウェイの森』

二つの世界が交わっていく: 世界の終りとハードボイルドワンダーランド

村上春樹(2010)『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』新潮社 いずれにせよ、老人が指摘したように、この街にとって僕は弱く不安定な存在なのだ・どれだけ注意してもしすぎるということはない。(本書上巻 p.298) … 続きを読む二つの世界が交わっていく: 世界の終りとハードボイルドワンダーランド

京都では狸も天狗も駆け引き中

森見登美彦(2015)『有頂天家族 二代目の帰朝』幻冬舎 「ぱおんぱおん、どうしたことか?」  私は長い鼻をあげて西の空を見た。  滑るように春の空から舞い降りてきたのは、ひとりの英国紳士であった。(本書 p.24) 前 … 続きを読む京都では狸も天狗も駆け引き中

知りすぎることの良否を知らない人類

野崎まど(2013)『know』早川書房 「(前略)学者の方からは非難される行為なのかもしれませんが、保管庫は思想そのものが違うのです。保管庫の思想とは”現物を、変化なく残すこと”です。古事記の冒頭にも記されていますが、 … 続きを読む知りすぎることの良否を知らない人類

異様な知性が生まれた理由

佐藤優(2014)『先生と私』幻冬舎 2日後、団地の集会場で行われた告別式には、数百人が集まった。(中略)僕は、心の片隅で「ライバルがいなくなってほっとした」と思った。「何てことを思っているんだ」と僕はその気持ちをすぐに … 続きを読む異様な知性が生まれた理由

竹林に行くと美女がいる?

森見登美彦(2010)『美女と竹林』光文社 登美彦氏は腕組みをして考えていたが、「何でもいいから書いてみろ。この世にあるもので、やみくもに好きなものを書いてみろ」と自分に言い聞かせた。そして、まるで書き初めをするかのよう … 続きを読む竹林に行くと美女がいる?

冒険上手な怠け者

森見登美彦(2013)『聖なる怠け者の冒険』朝日新聞出版  記者は「あなたを何と呼べばよろしいですか?」と訊ねた。 怪人は胸を張ってこたえた。 「『ぽんぽこ仮面』と呼ばれることを希望する」 (本書 p.16) 聖なる怠け … 続きを読む冒険上手な怠け者

沖縄から離れない影

大城立裕(2011)『カクテルパーティ』岩波書店 やっぱり卑怯だ」小川氏が叫んだ。「そのような話にそらして、いま当面の話題からにげようとしている」 「そうですね」孫氏は、ほとんど涙ぐみながら、「ただ、あなたがたが当然考え … 続きを読む沖縄から離れない影

君には権力と対峙してまで守るべきものはあるか?

高橋和巳(1993)『邪宗門』朝日新聞出版 他者の犠牲にはならぬまでも、他者の苦悶を自分の心の痛みとして意識する存在でなければ、あらゆる理想主義的な計画は無意味なのだ。そして千葉潔は窮極のところ、それを信じることができな … 続きを読む君には権力と対峙してまで守るべきものはあるか?

拉致事件は世界的な作戦の一部だった?

手嶋龍一(2007)『ウルトラ・ダラー』新潮社 「K・Tさんよ、そこのけじめをつけていただくために、こうして写真をお送りした。(中略)」 「俺の名はクンじゃない、イサオだ。呼ぶならI・Tといいたまえ」 (本書 p.327 … 続きを読む拉致事件は世界的な作戦の一部だった?