オールマイティーなリーダーになるための導きの書


佐藤優(2014)『「知的野蛮人」になるための本棚』PHP研究所

私から見て、一番の「本読み」は、松岡正剛氏です。それから、斎藤美奈子、鹿島茂、立花隆、佐高信の各氏。こうした「本読み」の書いた読書についての本をきちんと読んだほうがいい。(本書 p.8)

図書館は使わないほうがいいと思います。お金はかかりますが、本は本屋で買うことです。(本書 p.15)

出世したかったら『読書の技法』、楽しい会社員生活を送りたければ『人に強くなる極意』を読めばいい。すると本書は?
『読書の技法』に近いですね。(本書 p.334)

『野蛮人の図書室』の改題、再編集。前後に対談が加わっているので、本書の位置がわかりやすくなった。

婚活、労働、そば、ビールからロシア情勢まで、様々の身近なテーマを理解するための導きの手として2冊の本を紹介していく。

本書の目的は「出世したかったら読むべし」と書いてあるとおり様々な出来事に対応できる力の付け方を教えることだ。それにはまず、本書に書いてある出来事を検証できる力をつけたらよい。

冒頭に書いてある本読みを見習うことについては賛成だが、初心者には少し雑だ。松岡正剛、立花隆、佐高信、斎藤美奈子、鹿島茂の5人は確かに本読みだが読み方が違う。読書量や出世のためだったら松岡や立花を読めばいいと思うが、本を読む楽しみを追求するなら鹿島や斎藤がおすすめだ。松岡や立花はすごいし圧倒されるけど冷静に読める。鹿島と斎藤はその熱意に引き込まれて面白そうな世界をもっと見たいと近寄ってしまう。そんな差がある。こうした説明をどこかで少ししておいたら親切に思う。

また、本書で著者は図書室の司書という役割で出ている。図書館は使わない方がいい、と言っておきながら。ここは本屋の店主にでも扮して「ということは…?」「この本も買って読みなさい、ということです」と言ってオチをつけたらよかったのに、と思ってしまった。