武器シリーズの引力
弟子: やっぱりこれからの世の中、ディベートが大事です。
ウチボリ: いきなりどうしたの。
弟子: 最近本を読んでいるのです。
ウチボリ: それはいいことだ。
弟子: 読んだ本にディベートが大事とあったのです。ふふん。
ウチボリ: ディベートの本だったら、そう書いてあるでしょう。
弟子: 違います!
ウチボリ: 何を読んだ?
弟子: 瀧本哲史(2011)『武器としての決断思考』星海社新書です。
ウチボリ: ああなるほど。前は「戦える人材になりたい」とかいってなかった?
弟子: そんな過去もありました。
ウチボリ: 瀧本哲史(2011)『僕は君たちに武器を配りたい』講談社を読んだな。
弟子: なぜ分かったのですか。
ウチボリ: 今は瀧本哲史(2013)『武器としての決断思考』星海社を読んでいる。
弟子: 千里眼! 千里眼だ!
ウチボリ: だいたい分かるよ…君は影響を受けやすいからね。
弟子: それが短所のようにみえて長所なんです。
ウチボリ: 捉えようだな。
弟子: ディベートをやって、交渉もできる、世界で戦える人材になりたいんです。
ウチボリ: 気持ちは分かるが、乗せられすぎだ。
弟子: どういうことですか?
ウチボリ: せっかく三部作とも読んでるようだから瀧本の読み方をアドバイスしよう。
弟子: ずいぶんえらそうですね。
ウチボリ: 彼は引力が強いから気をつけて読まないといけないんだ。
弟子: 引力が強い?
ウチボリ: まずは読んでない人のためにざっと彼の三部作の筋を振り返ろう。
『僕は君たちに武器を配りたい』
- トレーダー=とれた魚をほかの場所に運んで売ることが出来る漁師
- スペシャリスト=一人でたくさん魚をとるスキルを持っている漁師
- マーケター=高く売れる魚を造り出すことができる漁師
- イノベーター=魚をとる新たな仕組みを作り出す漁師
- リーダー=多くの漁師を配下に持つ、漁師集団のリーダー
- インベスター=所有する船に乗っている漁師に魚をとらせる
1と2は生き残れない。生き残りたければ3~6のいずれかになれ。
『武器としての決断思考』
『僕は君たちに武器を配りたい』ではコモディティになるな、スペシャリストになれと説いた。今度は「エキスパートになるな、プロフェッショナルになれ」ととく。
- エキスパート=了見の狭い職人のようなもの
- プロフェッショナル=相手の要望に応じていくつかの選択肢を論理的に示すことができる者
プロフェッショナルになるためにディベートを挙げる。それからはディベートの技術論に入っていく。
『武器としての交渉思考』
合わない人ととどうやり過ごすか?
- 価値理解と共感
- ラポール
- 自律的決定
- 重要度
- ランク主義者
- 動物的な反応
6類型に分けてそれぞれの対応法を教える。交渉相手が何に重点を置いているかを見極め、それにあわせた対処法を取っていく。
ウチボリ: 大体わかったかな?
弟子: サッパリです。
ウチボリ: 清々しいね。
弟子: わかりやすいのが一番です。
ウチボリ: そう、わかりやすいのが一番だ。瀧本の本は論旨がわかりやすい。
弟子: どういうことですか?
ウチボリ: 伝えたい相手(ターゲット)と伝えたいこと(メッセージ)が明確だ。
弟子: なるほど。
ウチボリ: ここまでわかれば、あとは簡単だ。
弟子: しっかり読んで身に付ける、と。
ウチボリ: 違う! 彼の言いたいことが自分の考えと合っているか考えるんだ。
弟子: やっぱりわかりません。瀧本のほうがわかりやすい。
ウチボリ: 落ち着いて、順に見ていこう。
「瀧本哲史も怖くない!(1)」への1件の返信
[…] 弟子: この本のターゲットは誰ですか? ウチボリ: 意識高い系の学生だろう。 弟子: 意識高い系? ウチボリ: 本当に意識の高いやつは、読む前に知って行動に移してる。 弟子: たしかに。 ウチボリ: 本書は授業の内容だろう? 弟子: 受講生は有利ですね。 ウチボリ: 読み始めた時点で勝負は決まっているのさ。 弟子: じゃあ、どうすればいいんですか! ウチボリ: もう一度、最初に紹介した『僕は君たちに武器を配りたい』を復習しよう。 […]