落合浩太郎(2005)『CIA 失敗の研究』文芸春秋
CIAが変わるためには、作戦本部の革命は不可欠である。(中略)官僚主義も打破し、外国文化への理解を深めることも不可欠だ。(本書 pp.220)
CIAも日本の企業や官僚機構と同じように問題を抱えており、決して精鋭の集まった、見事に運営されているエリート集団、というわけではないことが本書を読むとよくわかる。
新たに採用された人も嫌気をさしてすぐに辞めていったり、政治的に利用されていたり、内部やNSA、FBIとの内輪もめや足の引っ張り合いをしていたりなど、どこにでもありそうな問題がCIAにも例外なく存在していることを指摘している。
少し安心するとともに、理想の組織というのはやっぱり存在しないし、くだらないことを抱えていても、それなりに世界は回るんだな、というのがわかる本だった。