私達の悩みが載っているかも


佐藤優(2015)『人生の極意』扶桑社

私の場合、メディアバッシング、逮捕、投獄、裁判、失職などのどん底の経験がある。どん底からどうすれば這い上がることができるかについて、それなりの経験もある。私の経験を少しでも読者が抱えている悩みを解決するために用いてほしいと思い、私はこの連載に全力で取り組んでいる。(本書 p.5)

人生の極意 (扶桑社新書)

佐藤優が週刊SPA! に連載している読者とのやりとりを書籍化したものです。

家族編、社会編、事件編、恋愛編、人生編と5つにカテゴライズして、それぞれの質問とそれに対する佐藤優の回答を掲載しています。

子どもができないことを悩む女性がいればやさしく時が来ると説き、震災のショックで泣いてばかりいる学生には文学作品で悲しみと向き合う想像力を持つことを勧め、新興宗教に入った家族を持つ人にはその宗教のヤバさの見極め方を教え、初恋の相手が忘れられない男性にはその思いを昇華させるよう勧め、ホームレスになりそうだと嘆く男性にはハローワークに行って仕事をする習慣を持つ大切を説く。

冒頭の引用にある通り、本当にまじめに、読者を諭すように答えています。神学部出身のクリスチャンだけあって、まさに牧師さんのような雰囲気を持った受け答えです。

佐藤氏の根底にあるのはどん底を経験したこととクリスチャンであることの両方に起因するのでしょうが、個人の努力ではどうしようもないこともある、という一種の限界を線引きです。その線引きの上で答えています。だから不妊症に悩んだってそれは神様が決めること、就職もまじめに勉強やハローワーク通いをしていたらいずれ見つかる、といった一種の楽観論にも似たような答えを言います。

だけど、私自身もそう思います。単なる楽観論ではなく、おそらくは事実ではないかと。落ち込まずに取り組む人は魅力的だし、その様子を世間の誰かは見ているのでいずれ良い結果に恵まれます。世の中、まじめにコツコツと続けるのは意外と難しいので、半年も続けていたらそれなりの結果が出るはずです。継続は力なり、です。