西野カナはギャル演歌

輪島裕介(2010)『創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史』光文社 小柳ルミ子や春日八郎においては、五木が「公認されざる”差別された”現実」の権利回復として提示した「演歌」は、「公認された」国民的な文 … 続きを読む西野カナはギャル演歌

知の巨人・レヴィ=ストロースが見た日本

クロード・レヴィ=ストロース 著、川田順造 訳(2014)『月の裏側 日本文化への視角』中央公論新社 日本は自然の富は乏しく、反対に人間性において非常に豊かです。(中略)人々がつねに役に立とうとしている感じを与える、その … 続きを読む知の巨人・レヴィ=ストロースが見た日本

無実の罪をかぶったまま満州に散った甘粕正彦

佐野眞一(2010)『甘粕正彦 乱心の曠野』新潮社 甘粕が「青年たちの娯楽は何ですか」と尋ねると、加藤完治の代理の者が「角力や柔道や剣道です」と答えた。すると甘粕はこれを否定して言下に言った。 「昼間農業をやって疲れた若 … 続きを読む無実の罪をかぶったまま満州に散った甘粕正彦

知りすぎることの良否を知らない人類

野崎まど(2013)『know』早川書房 「(前略)学者の方からは非難される行為なのかもしれませんが、保管庫は思想そのものが違うのです。保管庫の思想とは”現物を、変化なく残すこと”です。古事記の冒頭にも記されていますが、 … 続きを読む知りすぎることの良否を知らない人類

歴史をつくった負け組みたち

山口昌男(2005)『「敗者」の精神史〈上・下〉』岩波書店 覚馬も結局は、公の世界に足を突っ込む権威高官の地位に身を置かないという意味では、敗者の立場を貫いたと言えるのかもしれない。覚馬なくば、京都は学問の府の位置を獲得 … 続きを読む歴史をつくった負け組みたち

一芸能がまとめあげた日本国民

兵藤裕己(2000)『“声”の国民国家・日本』NHK出版 仁侠・義侠のモラルと法制度とのあつれきを語る物語に、社会の埒外を生きる語り手のすがたを投影する。またそのようなアウトローの物語が、体制内の日常を生きる庶民大衆にカ … 続きを読む一芸能がまとめあげた日本国民

よりよい政治のために首相政治を知る

待鳥聡史(2012)『首相政治の制度分析―現代日本政治の権力基盤形成』千倉書房 安倍以降の自民党政権もまた政策的な成果という意味では極めて不十分であった。五人連続で不成功の短命政権が続くということは、首相個々人の能力や資 … 続きを読むよりよい政治のために首相政治を知る

市場戦略としての品種改良

藤原辰史(2012)『稲の大東亜共栄圏 帝国日本の<緑の革命>』吉川弘文館 品種改良という技術は、耕地整理、肥料の普及、農作業の機械化などによって構成される農業技術近代化のパッケージの一部にすぎず、これらの要素と密接に関 … 続きを読む市場戦略としての品種改良

世界はドーダで満ちている!

鹿島茂(2007)『ドーダの近代史』朝日新聞社 ドーダ学というのは、人間の会話や仕草、あるいは衣服や持ち物など、ようするに人間の行うコミュニケーションのほとんどは、「ドーダ、おれ(わたし)はすごいだろう、ドーダ、マイッタ … 続きを読む世界はドーダで満ちている!

南方熊楠、渋沢敬三、新村出らとの交遊録

岡茂雄(1974)『本屋風情』平凡社 風呂場の外がわに下駄の足音が近づいた。「湯加減はどうかな」と翁の声。「結構です」と応える。しばらくするとまた足音がして「湯加減はどうかな」。「結構です」。繰り返すこと三回。わずか十五 … 続きを読む南方熊楠、渋沢敬三、新村出らとの交遊録